古尾谷 真理
2019年 入社
薬剤師(大森薬局)
心から納得していただけるケアプランとは
島田さんのお仕事について教えてください。
各事業所と連携しながら、要介護・要支援認定を受けた利用者様がご自宅で生活するためのサービスを受けられるよう調整していくことが、私たちケアマネージャーの役割です。
どのような介護サービスが最適か、利用者様、ご家族の皆様との話し合いからケアプランを作成し、これを軸に利用者様と本格的な在宅介護がスタートしていきます。
在宅の利用者様にとって最適なケアプランとはどのようなものなのですか?
在宅介護というのは、とても長い目で見ていかなくてはならないんですね。ご本人様が、どのような生活を送っていきたいか。もっと言えば、どのような最後を迎えたいか。介護に当たられるご家族に迷惑をかけたくないと思われる方もいますし、金銭的に余裕がない方もいらっしゃいます。ですから、ご本人様の意志を尊重しながら、その時々で最適だと思われるケアプランを立てることはできます。しかし、病状や生活状況の変化によって修正を繰り返していかなくてはなりません。
つまり、私たちがご提案したケアプランが良かったかどうかは、最後にならないと分からないんですね。ご家族の方が「良い介護ができた」、そう納得していただけたときに初めて、私たちもケアマネージャーとしての役割を果たせたと思えるんです。
薬剤師のサポートが利用者様の命を支える
在宅医療において、薬剤師はどのような存在ですか?
利用者様の命を支えるという意味ではとても重要な存在です。入浴や食事の介護ももちろん大切ですが、お薬の服用は利用者様の健康に直接作用します。ところが、薬剤の分野はとても難しい。ほかのお薬との違いや副作用など、ケアマネージャーである私たちにも分からないことがたくさんあります。利用者様やご家族の方ならなおさらですよね。
だからこそ、地域医療に薬剤師さんのサポートがあるととても心強いですね。
島田さんにとって、地域における理想のチーム医療とはどのようなものですか?
やはり、それぞれが利用者様のためを想い、職種の枠を越えて何でも言い合える関係が築けていることではないでしょうか。幸い、私が関わる皆さんとはそんな関係が築けていると思っています。きっと同じ城南グループで仲間意識が強いからかもしれませんね。以前、別の事業所にいたときは医師や看護師さん、薬剤師さんなど医療従事者の方たちと少し距離がありましたから。
同じ時間を共有し、信頼関係は築かれていく
在宅医療に携わることで、得られることはありますか?
人との関係を築いていく力は身につくと思います。
ケアマネージャーだからといって、最初から利用者様やご家族と信頼関係を築けるわけはないんです。人は誰でも他人に話しにくいことってありますよね。金銭的なことや不平や不満。そんな本音を拾えなくては、本当の意味で利用者様やご家族の暮らしをお守りすることはできません。言いづらいことを言っていただける関係性は、お互いのことを知り、同じ時間を共有していく中で少しずつ築かれていくものなのです。
信頼関係を築いていく力は、薬剤師の皆さんにとっても成長する上で欠かせない能力だと思います。
人の人生に深く関わるケアマネージャーというお仕事を通して、どんなことを感じてきましたか?
家族の絆を感じる場面はとても多いですね。そのたびに温かい気持ちになります。この仕事を通して、家族の支えがあったから今の自分がいるのだと、改めて感じさせられます。
最後に、これから薬剤師として活躍される学生さんにメッセージをお願いします!
お薬は、患者様のお口に入って初めて効果を発揮します。ただ一方で、そのお薬を正しく飲めない方がおられることを知っていただきたいと思います。
個人的な意見ですけど、これからの薬剤師さんは「おせっかい」と言われるくらいがちょうど良いかもしれません。患者様のご様子を見て気になることがあれば、積極的に行動してほしいですね。