「調剤薬局」と「院内薬局」を経験したからこそ成長できた(小林 寛)

患者さんと接してきた日々が、薬剤師としての心を育てた

まずは小林さんの簡単な経歴から教えてください。

薬剤師として大森薬局で働き始めたのは、30歳を控えた頃です。それまでは、実家の家業をしていました。だから薬剤師としてスタートを切ったのは大学を卒業してだいぶ後になってからです。
それから数年ずつ各薬局を経験し、2013年12月に大田病院の院内薬局勤務となりました。

ご自身の希望が叶った上での病院勤務だったのですか?

薬剤師として病院経験の必要性を感じていた上で、良い機会が巡ってきたという感じですね。ですから結果的に、私の希望した通りの道を進んでいることになります。

薬剤師としてどんな志をお持ちですか?

実は、学生時代に薬学部に進学したのも、ただ理科系の科目が得意だったというだけで、何か特別な理由があったわけではありませんでした。どちらかと言うと、人の生死に関わる責任の重い仕事から距離を置きたいと思っていたタイプ。正直に言いますと城南医薬への入社も、「自宅に近いから」、それだけの理由だったかもしれません。
しかし、実際に薬剤師として城南医薬の調剤薬局で働き始めてからめまぐるしい日々を送っているうちに、少しずつ自分の心が変わっていくことに気がつきました。 目の前にはいつも健康な生活に不安を抱えられている、患者さんがおられます。そこには処方せんからはうかがい知れない、お一人お一人の人生がありました。たくさんの人の人生の一端を、自分が担っている。そう思ったとき、患者さんやご家族のために自分がすべきことを考え始めました。

病院経験の必要性を感じていたのはなぜですか?

城南医薬は、会社の方針として薬剤師に院内薬局の経験を積むことを推奨しています。ですから、病院経験のある同僚が周りにたくさんいたんですね。そういう人と話をするたび、患者さんの捉え方の違いを感じさせられました。検査値の見方一つとっても違うんです。総合的な判断ができるというか、医師に対してより具体的な提案ができるというか。

当時の私は、お渡しするお薬がどれだけ適正なものかどうか、どこか確信を持てずモヤモヤしていました。

もちろん、危険な場合の判断はつきます。ただ、「この症状に最も効果を発揮する薬は何か」と問われたとき、一つの薬を挙げられたとしても、ほかの可能性も疑っている自分がいました。
薬が症状にもたらす効能を目で見えるカタチで知りたい。そう思うようになってから、やはり病院での経験が必要だと感じるようになりました。

“今”の判断が求められる院内薬局

「院内薬局」ならではの苦労は、どんなものがありますか?

病院ではとにかく“今”の判断を求められる場面がとても多いですね。ご入院されている患者さんへの対応では特に。病状の変化によって、その時々に合わせて薬を変えていかなければなりませんから。外来の場合でも、医師の相談にはタイムリーに答えていくことが要求されます。そのためにも、薬の知識だけではなく病気や具体的な治療法などしっかりと勉強して備えておかなければなりません。
また、今の判断が求められる分、結果も早く出てきます。検査値をチェックしながら、医師や看護師や検査技師などと今後の医療方針を決定していきます。
私の場合、まだ病院に来てそれほど時間が経っていないので、ついていくのに必死ですが、想像した通りに患者さんが元気になっていく過程をこの目で見られるので、人の役に立てているという実感がすごくあります。

「調剤薬局」での経験が「院内薬局」で役立つことはありますか?

もちろんあります。城南医薬の場合、ほとんどの薬局が在宅支援に取り組んでいますし、訪問看護に同行する機会も多いので、患者さんの日々の暮らしというものを理解しています。ですから、現在、入院されている患者さんが退院後にどのような暮らしをされるかが自然と想像できますし、その後の生活を考慮したサポートをすることもできます。

何のため、誰のための薬剤師であるべきか

薬剤師として大切にしていることは何ですか?

やはり一人ひとりの患者さんに対して誠心誠意を込めることです。
いつか調剤薬局にいた頃、お薬をお渡しした後の帰り際、「これを飲むと調子悪いんだ」と患者さんがつぶやいたことがありました。私は見過ごすわけにはいかないと思い、お引き止めして、医師に相談する旨を伝えました。その方は病院で待たされて、薬局でも待たされて、もしかしたら早く帰りたかったかもしれません。しかし、ここで見て見ぬふりをしたら薬剤師の存在価値が失われるような気がしました。
そうした行動が必ずしも報われるわけではありませんが、薬剤師である以上、患者さんにとって必要だと思うことは誠心誠意やるべきだと思っています。

最後に、これから薬剤師として活躍される学生さんにメッセージをお願いします!

何のために勉強するのか、何のために薬剤師になるのか。最終的には患者さんのためであることを忘れないでほしいですね。病院に訪れる人もいれば、受診すらしにこない人も中にはいます。すべての患者さんのために自分に何ができるかを改めて考え、積み重ねてきた知識と経験を生かしていってください。

WORKING STYLE

ある日のスケジュール

08:50
朝礼
09:00
調剤、発注
11:00
病棟業務、混注業務
12:30
ごはん
13:30
学習会、カンファ、総回診など
15:30
調剤
16:50
発注
19:30
帰社

CAREER ROAD

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1

1999年ごろ

3

八百屋からの転職!不安がいっぱいでした。

2

2000年

5

覚えることがたくさんで、とにかく忙しかった。

3

2004年

7

他の薬局へ応援。とても良い経験でした。

4

2005年

6

初めて他薬局へ異動。ドキドキです。

5

2006年

5

慣れてきたところでまた異動。またまたドキドキです。

6

2011年

8

じっくりと仕事にうちこめて、実りがある年に。

7

2012年

7

ついに大森薬局の薬局長に。こんな大きい薬局大丈夫かなと思いつつ、なんとかこなしてきた。

8

2013年

8

大田病院への移籍!大変だけどやりがいはある!頑張ろう!

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